輸入貿易会社、社長の仕事術

経営46年の経験・知恵が詰まった集大成ブログ

零細企業の採用のはなし

それよりもっと大きな問題がある。それは社員を採用できるかどうかの問題だ。コンビニでも深夜の営業を廃止しようという計画が実行されようとしている。フランチャイズ店が契約を解約あるいは終了しようとしているからだ。

フランチャイズ店では店のオーナーが深夜の営業を行っているケースが多いのだが、それに嫌気が差していることが大きい。深夜に活動する若い人も減少しているようで、客数が少ないのも原因になっている。儲かっていない深夜営業を続ける意味がないのだ。

これは違う面から考えるとオーナーに取って自分の時間は無料の筈なのに、体力や健康を考えてさして重要でない深夜労働を嫌うようになっているということだろう。

このようにきつい労働は避けられる方向にあるのを示している。今の人は自分の好みの仕事以外はしたくないし、会社の雰囲気が悪いとすぐに会社を辞めてしまう傾向にある。

すると創業して間もない企業に人は来てくれるのかという重大な問題が含まれていることが分かる。

例え来てくれても能力が薄いとか人柄、健康に問題があるとか、集まる人材は会社に利益をもたらしてくれるかどうかは疑問だ。これも後で詳しく見ていきたいが、社長がやれる範囲はあまりない。会社の労働環境を良くすることだ。お局社員がいたり、部下を虐める男性がいたり、そんな問題をよく聞く。そんな環境を許してはならない。

 

飲み屋に行って隣の席の話しを聞いてみよう。

大概は会社あるいは上司に対する愚痴である。それを詰まらないと聞き流さず、サラリーマンたちは一体何に不満でどんな希望を持っているか生の声として聞いてはいかかだろうか。

私は何社かの経営顧問をしているが、特に労働系の社員は採用がとても難しいと社長たちは悩む。もう外国人を雇う以外にないようだ。

ただ日本政府は外国人が定住するのを嫌う。日本は主として基本的に単一民族の国である。それが国の長所になっている。日本人は他国と比べると下層の人がとりわけ優秀なのだ。

政府はその状況を変えたくない。アメリカでは黒人社会や極めて下層な人たちの犯罪が多い。そしてその人たちの出産率も高い。いずれ白人より有色人種の人口の方が多くなることが予想される。

ヨーロッパでは移民を受け入れていた国々でも国民はぼちぼち移民政策の転換を要望し始めた。やはり移民は他国で生活しているという意識が強く、愛国心が育たないのだ。

話しは逸れたが日本では外国人労働者は長く日本で働くことができないし、定住はしない。仮に定住するとしても日本人とは労働に関しての考え方が根本的に違う。

これらのことはどういう帰結になるのであろうか。運よく採用できた社員は能力が低くても雇い続けなければならないということだ。

そんなことを解消する方法は幾つかあるが、それは項を改めて検討することにする。

 

余り仕事ができない人との協働。こんな大変なことはない。

仕事の出来不出来は経験の多寡によることもあるが、基本的にはその人が持っている素質だ。

素質のない人、やる気のない人、そんな社員に囲まれて仕事をする毎日。社長はそんなことを考えると夜も寝ることができない。配偶者に仕事を手伝って欲しいと頼んでも断られるケースが多いし、例え手伝ってくれても逆に足を引っ張られることの方が多い。

そんな事例はよく目にする。経営者の男性自らが料理をしている飲食店で奥さんがウエートレスをしていると客を不愉快にしてしまうことがよくある。

会社で奥さんが経理を担当すると会社は先ず伸びない。そこには経営者の妻という感覚が入り込み、甘えが出るのだ。当初間に合わせで助っ人を頼んだとしても、できるだけ早く会社を退いてもらったほうが良い。女性が経営者でその夫が経営を助ける場合はまだ生涯が少なそうではある。

 ある九州の二つの会社の事例を上げておこう、二つの会社は互いにライバル会社であった。売上は当初二社ともに5億。片方は奥さんが経理担当、もう一つの会社では他人が経理を任されていた。

20年後、他人が経理をしていた会社は2000億円の年間売上を達成したが、奥さんが経理を担当していた会社は20億円が年商という結果だった。