輸入貿易会社、社長の仕事術

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経営コンサルタントをアウトソーシングするコツ

アウトソーシングといっても、相手先はいろいろ

まずは税理士だが、前述の通り、優秀な税理士を探すのはとても大変だ。会社が報酬を支払っているのに、税務署側の考えややり方に会社を合せようとする人が多い。こんな人は税ということを本当は知らないか、あるいは怠惰、または臆病な人である。

税務署の意向に沿って考え、処理すれば税務署との正当な攻防をしないで済むからだ。だが会社は不当に税金を支払わなくてはならない。

またアウトソーシングの依頼を受ける人は誰でも、会社から頼まないと何もやらないのが通例である。優秀な税理士は顧客を多く抱えていて、会社が望むサービスをしてもらうには会社から質問をし、会社が望む処理の依頼は会社が自主的に行わなくてはならない。税理士側は自主的に何かするということはない。 

社会保険労務士はどうか

簡単だがとても面倒な仕事をやってもらわなければならない。労務士がその従業員に仕事を任し過ぎると大変な間違いを犯し、仕事が遅いなど会社に取ってこの上もない不便が掛かる。

司法書士は

大体どんな人に依頼しても仕事はきっちりと遂行してくれる。そういう意味では会社は安心であるが、報酬が案外高い。難しい仕事ではないから、できるだが会社でやりたいものだ。

ただし間違うと大変な仕事、例えば不動産の売買など金銭が絡む仕事は信頼できる人に頼んだ方が良い。

弁護士は

弁護士は法律の解釈や法律的トラブルを解決することを業務としている。法律は健全な社会の在り方を記述している一つの規範(ルール)で常識があり、考える力がある人は細かいこと以外は素人でも理解できる。また法律はそうでなくてはならない。

最近こそ司法試験は比較的簡単になったが、元は国家試験の最高峰の一つであった。このように難関の試験に合格しなければならない業務については優秀な人と無能に近い人の差が大きい。有能な人に当たるまで、会社は選択しなければならない。

たまたま昔からあるいは前経営者のころから付き合いがあるという理由で無能な弁護士と取引するのは良くない。

最後に経営顧問、コンサルタントは

ある意味最も難しい業務の一つであろう。本業務をこなせる人は法律知識、税務、営業、経理、その他会社を運営する上で必要な知識、技能などを持っている人でなければ業務の遂行は覚束ない。

中小企業診断士などの資格を持っているかいないかは全く関係がない。有名大学出身者、大企業の役員経験者も能力があるとは断定できない。実際に自分が会社、それも中小企業を経営した経験のある人で、その会社が利益体質であった人が一番無難であろう。

中には口だけが達者で実は何もできない詐欺まがいの人がいるので用心しなければならない。コンサルタントに年間5億円も顧問料を支払っていた中規模の会社がそのコンサルタントのアドバイスに頼って経営した結果、会社が衰退したという例を身近に見たことがある。

これらアウトソーシングするには経営者や担当者自身がある程度その業務をできることが必須である。丸投げに近い形で業務を依頼することがあるが、これは厳禁である。

弁護士や税理士は自分の関係する法律は熟知しているが、業務外の法律に付いては案外無知で、その法律と業務を関連付けることができないような事態はしばしば発生する。

それはある程度仕方のないことで、例えば弁護士に仕事を依頼する時にも依頼者(経営者)はある程度法律を解釈できるべきである。弁護士などは依頼の内容、あるいはそれに関する状況、証拠など質問しなければならない。質問は返答より相当難しく、つい必要な状況説明や証拠の提出がされないケースが出て来たりする。

誰もが間違いを犯すということも忘れてはならない。その時に依頼者がある程度の知識と能力があればその間違いを是正することができる。

アウトソーシングへの依頼には専門家の意見を取り入れて共同作業をするという態度が必要だ。くれぐれも丸投げはしないようにしたい。

何と言っても一番難しい仕事は中小企業の経営である。前にも書いたが社長、経営者は万能でなくてはならない。その心構えがあればこのようなアウトソーシングもスムースに行くだろう。

融資を導入してあげるというアプローチは危険だ。まず会員になって欲しいといかにも融資が得られるようなことを言うがこんなことはあった例がない。これは会員になる入会金詐欺のようなもので、絶対入会してはならない。

政治家を知っている。友達が金融関係の政府機関にいるなどと持ち掛けるが、もしそうであっても会社が融資を受けられる状況になければ特別扱いをしてもらえることはない。