経理
機械・工具・家屋を含め一定の耐久年限がある資産については、徐々に価値が目減りするという観点ややがて使用不能になるとの考えから、資産価値を減額する。それを減価償却と言い、利益マイナス要因である。
その年限は例えば事務所に使用する鉄筋コンクリートのビルは50年、機械などは4~14年である。耐用年数は資産の種類によってまちまちであるので、調査して1年の減価償却額を覚えておくと良い。
減価償却費の対象となる資産は商品を製造するためのものと会社全体の運営のためのものがある。生産用の機械に対するものは原価とし、他は一般管理費に含まれる。
減価償却する方法は資産金額から一定の金額を減価する方式を低額法と言い、一定の率で減価するのを定率法と称する。ただ減価償却後の資産が実際の資産価値とは必ずしも一致しない。これはあくまで経理的、税務的な観点での単なる計算である。
有形固定資産ではこのような計算方式で減価していくが、コンピューターに組み込んだソフトウエアはそもそも減価という観念がない。だから減価償却対象資産ではなく、そのソフトを使わなくなった時点あるいは使えなくなった時点で全額減価償却する。
会社には顧問の税理士がいるだろう。減価償却関係まで会社で処理管理するのは却って時間の有効利用とはならない。この辺りの処理については税理士に一任するのが良い。
社宅に池があったとする。この池が水漏れして修理が必要な場合は修理費を計上することが税務上認められる。しかし池のデザインが気に入らなくて変更するとそれは庭園という資産勘定になり、修理費として計上することができない。何故なら池の部分の庭園の価値が増加して新たな資産の購入と同等に見なされるからだ。樹木を伐採すれば資産の減少で、植樹すれば資産の増加である。
固定資産でも一つの取得価格が30未満の場合は資産として計上しなくても良いことになっている。しかし年間合計金額が30万円以上になればその分は資産計上しなければならない。
これは税務に関する特例で、会社が経営資料として決算書を参考にするには全額資産として計上するのにクレームは付かない。決算書とはあくまで会社の利益のために利用するものであって、税務的観点はあくまで副次的である。
だから会社は一定のデータさえ含まれていればどんな方式で決算書を作っても税務署は一切苦情を言うことはできない。
なお在庫で型落ち商品などは通常の価格では販売できないものがある。そんな商品は顧客に安く売れば良い。しかしあまり安く売り過ぎると損が出てしまうので、原価程度が良いだろう。
しかしまたその商品が入用になれば仕入戻しをすれば良いと考えられる。税法的に違法かどうか理論の別れるところであるが、多分問題は発生しないと思われる。
破損、劣化、流行遅れなど通常価格で販売できない商品に付いては評価損を計上することが税務上許される。ただ毎年やってくるクリスマス用の商品は流行遅れとはならない。
投資有価証券
上場株式などは固定資産であるが、価格が絶えず変動する金融商品である。これを取得価格で資産計上するのは合理的ではない場合がある。この時は時価で評価するのが良いだろう。
ただ株式の取得は売買目的だけとは限らない。Ⅿ&A目的、余剰資金の長期的運用など幾つか保有目的がある。その目的に応じて評価を変えるのが良いだろう。
出資金
他社の経営の一端に関わる目的などで行う行為から生じる資産であるので、基本的に売買目的はない。評価は取得価格のまま据え置く。
敷金、保証金、特許権
変動が少ない資産である。そうではあるが永遠に保有するかどうかは未知である。特許は利益を生み出す可能性がある資産であるが、他は直接には利益を生み出さない。