輸入貿易会社、社長の仕事術

経営46年の経験・知恵が詰まった集大成ブログ

社会保険労務士の役割

  社会保険労務士は、あまり間違えようのない仕事だが、政府の方針がしばしば変更になり、それをアップデートしなければならない。

  社会保険労務士自身は国家試験に合格してこの仕事の関する能力を有し、社会常識があるが、その部下、アシスタントは要注意だ。やってはならないことをやったり、仕事が遅すぎたり、顧客側(すなわち会社)が監督しておかないととんでもないことになるケースが散見される。

  私も労務士本人に宛てた私信に基づき税金、保険などを処理されたことがある。そことは取引を止めて別の労務士事務所と契約して処理の依頼をしたが、そこも同様であった。


人事

  会社を運営するのは人、物、金が必要だと言われる。その真偽は別として、人がいなければ企業ではない。ワンマンカンパニーもあるが、これは企業ではなく、単なる生活の手段である。

  もし一人で充分な金が稼げるなら、その人は必ずアシスタントを雇う。そうするともう会社である。

  人と共同して会社を運営するには心掛けなくてはならないことが多い。従業員は基本的には他人であるし、他人であることが望ましい。

  妻をアシスタントとして共同で仕事をして成功する例もなきしも在らずだが、例外的だ。兄弟、友達との共同事業も考え物だ。成功する例もあるが、それは全ての人の性格が良い場合にのみ発生する幸せな現象であろう。

  金を扱う係が信用のできる妻である場合が多いが、まず会社は発展しない。こんな例は前に述べたが、見てきた限りでは上手くはいかない。姉も駄目だ。金に関する感性が備わっていないからだ。

  金は生活する上で重要なものだ。どうしても金には感情が入ってしまう。しかし会社の金に感情を移入してはならない。金は物を仕入、従業員に収入をもたらすだけの手段に過ぎない。その金が家庭にもたらされて感情が初めて移入されるのだ。

  企業の運営は冷静になされなければならない。すなわち相手の感情は計算に入れても、自分の感情に赴いた経営をしてはならない。物や金、人や考えを冷静に処理し、単なる経営資材として位置づけるのが必要である。

  しかし人は感情を持った動物である。自分の感情に基づいた処理は許せないが、相手の感情を無視してはならない。営業マン、経理担当、運転手、倉庫係、あるいは国家試験合格者である弁護士、会計士、税理士、コンピューターの専門家などを雇用することもあるだろうが、その人の感情や心理を計算あるいは尊重して仕事をしてもらわなければならない。

  会社の業務に適した人を採用するのは難しい。大会社では誰もが業務に自然に習熟できるように、システムを構築して慣れさせているが、比較的小さな会社ではそうはいかない。

  人員の数も少ないし、一人で幾つもの業務をこなさなければならない場合も多い。即ち小さい会社においては従業員も仕事のシステムを自ら構築しなければならない。だから大きい会社出身の人を採用しても中小企業では能力を発揮するのは難しい。考え方やり方が全く違う。

  仕事に能力があるか、一定の業務に適しているか判定するのは難しい。ある銀行員に尋ねたところ仮採用になるまで多くの回数の面接があったと教えられた。

  だがそんな回数の面接を経ても銀行員、特に新規係、融資担当者には能力が足りない人が多い。面接では人の能力が分からないものだ。これをどのように解消するかが経営者の課題になる。

  どんな試験方法を採用しても駄目だが、一旦一緒に仕事をするようになると3日でその人の能力の大きさ、種類が判定できる。だから本採用をする前にアルバイトとして働いてもらうこともした。しかしこれも上手くいかない。

  どうも本採用ではなく、アルバイト行為が試験の一環だと判断して、その積りで働くので本当の性格などが発現しないようにしているようだ。それが正式に採用されると能力の度合などがすぐに分かる。

  すなわち試験では応募者は全て演技をするのだ。だから演技をしていない人の能力を判定して採用するか、正式に採用して一緒に仕事をして、駄目なら辞めてもらうのが良い。だがその代わりⅠヶ月分の給料を支払わなければならない。

  採用の基準は能力より人柄である。目端が利くとか知識が多いなどは何の能力でもない。営業マンにはその人に会った顧客が付くし、時間を掛けて作った顧客は長く取引を継続してくれるものだ。

  我田引水、怠惰、狡い、そんな好ましくない人は能力がありそうでも採用してはならない。トップの経営者より仕事ができる人も駄目だ。社長は劣等感をどこかに持ってしまうし、採用された人は会社に嫌気が射してしまい独立の道を歩くだろう。

  だから会社の規模は社長の大きさ、能力の高さしか大きくならない。だから能力の高すぎる人は従業員ではなく、アウトソーシングとして関わってもらう方が良いかもしれない。

  なお長く会社を経営しているとどうしても会社に取って拙い人が入り込んでしまう。獅子身中の虫と言おうか、会社に結果として悪影響を及ぼす人だ。

  労働組合を結成する。ボーナスが低いとサボタージュの先頭に立って行動をする。女子社員と不倫関係になる。あるいは会社の資産を盗む。いろいろなケースがあるが、その人たちは一応に能力があるが、人格の伴っていない人だ。

  そんな人は会社の利益を度外視してできるだけ速やかに辞めてもらわなければならない。